嫌われるのが怖い理由と対処法

心理

自分は人から「嫌われるのが怖い」と感じて悩んでいる方のために、その理由と対処法について、お話しします。

人から嫌われる事を恐れている人の共通点

人から嫌われるのを恐がっている人には、例えばこんな共通点があります。

  • 相手から嫌われてはいけないというプレッシャーを抱えているので、
    何をするにも話すにもいつも必要以上に緊張したり身構えてしまってすごく疲れる。
  • 嫌われるのが怖くて相手の顔色や機嫌を必要以上に気にしすぎてしまう。
  • 人間関係を築くのが下手で長続きしない。
  • 嫌われるのを恐れるほど、逆に人から距離をおかれたり嫌われたりしてしまう。

日々がこんな状態だと、とても生きずらいのではないでしょうか?

なぜ私たちは、人から嫌われることをこんなにも恐れてしまうのでしょうか?

人から嫌われる事を恐れている人の背景

人から嫌われることが怖い背景には、わたしたちの過去の体験、特に子どもの頃の体験があります

自分が言ったことやしたことに対して親が過剰に反応するような親子関係だった、親の顔色をいつも伺いながら、機嫌を損ねないように生きなければならない子供時代だった。

ある日突然仲良しだった友だちから避けられるようになった経験がある・・・など。

そんな過去にあった辛い経験や記憶を、今現在目の前にいる相手にも当てはめてしまい、
過去にこうなったから今回も同じように嫌われたり辛い思いをするかもしれない」という
脳内ストーリーをわたしたちは自分で勝手に創り出してしまうのです。

自分が嫌われる設定の脚本を生きてしまう

驚くべきことに、私たちは、自分で勝手に創り出した脳内ストーリーを自分の人生の脚本として設定し、その脚本通りに実際に行動してしまっていることが実に多いのです。

脚本が、「私は人から嫌われやすい」という設定なので、相手から嫌われてしまったときの反応や態度、例えば、不安げだったり、相手を疑う雰囲気を出したり、オドオドした態度をとるなど、わざわざ自分から先に負のオーラを発信してしまうのです。

相手はあなたの態度に応じて反応する

するとそんなわたしたちの負のオーラを受け取った相手はどう感じるでしょうか?
当然、自分が警戒されているような気がして戸惑いますし、ともすれば逆に自分のほうが嫌われていると感じ、何となく気分を害して距離をおくようになるのではないでしょうか?

あなたの決めた脚本通りの結末になる

このように、自分が嫌われるという現実は、実は自分自身が生み出しているという大いなる矛盾を私たちは抱えているのです。

そしてそれは、自分がそのからくりに気づけないうちは無限に繰り返す悪循環となります。

  • 1.脳内ストーリー設定
  • 2.脚本通りに行動する
  • 3.脚本通りの結末を迎える
  • 1~3を繰り返す

「嫌われることへの恐れ」の源にある間違った思い込み

「人から嫌われる」という言葉は、「人から受け入れてもらえない」という言葉に置き換えることが出来ます。

そして、嫌われることが怖い人の深層心理には、「人から受け入れてもらえない自分には価値が無い」という間違った思い込みがあることが多いのです。

どういうことか、説明していきます。

子どもの頃に受け入れてもらえた経験をどれくらいしているか?の影響

はじめに、わたしたちはじぶんの過去の体験、特に子どもの頃の体験の影響を強く受けているというお話をしましたが、嫌われるのが怖いという人は、子どものころに自分自身を誰かから受け入れてもらえた経験が少ない事が多いのです。

何もしていなくても、ただ自分がそこにいるだけでも、親がやさしく微笑んで見守っていてくれたり、喜んでくれたという経験、つまりは、自分が無条件で存在を受け取ってもらえた、分かってもらえたという経験の小さな積み重ねは、ありのままの自分でも存在価値があるという意識を私たちに与えてくれます。

ありのままの自分には存在価値が無いという間違った思い込み

逆に言うと、、、、、、

例えば、お手伝いをしたから親がほめてくれた、一生懸命勉強して良い成績を取ったら親が褒めてくれた、など、自分が親から受け入れられたと感じる体験には常になにかの条件を満たすことが伴っていたという積み重ねは、人から受け入れてもらうには、相手の望む条件をクリアしなければならないのだという間違った意識を私たちの根深いところに生み出しています。

つまり、ありのままの自分のままでは人から受け入れてもらえない、ありのままの自分には存在価値が無いという意識です。

ひいてはそれは、自分の存在価値は他人によって決定されるという意識へとつながり、人から受け入れてもらえたら自分には存在価値がある、自分は生きていても良い存在だというところにつながっていくのです。

ひいてはそれは、、、、

自分の存在価値は他人によって決定されるという意識へとつながり、人から受け入れてもらえたら自分には存在価値がある、人から受け入れてもらえたら自分は生きていても良い存在だというところにつながっていくのです。

ここまでお話したことをまとめると、、

人から嫌われることは自分の存在価値、つまりは自分の生存そのものを揺るがすという恐ろしい感覚にまでつながっているという事が分かります。

ですから多くの人が、人から嫌われるのが死ぬほど怖いという状態に陥っているのです。

これほどの恐れを、どうすれば克服することが出来のでしょうか?

克服のための3つヒント

人から嫌われることを恐れてしまい、人間関係がうまくいかないという生きずらさを抱えている方のために、
克服のための3つのヒントをご紹介します。

  • 1つ目が、恐れの源を知りそれを少しずつ受け入れる
  • 2つ目が、人から好かれることを求める前に、自分が自分を受け入れて寄り添う
  • 3つ目が、現実と妄想を切り離す練習をする

です。

一つずつみていきましょう。

1.恐れの源を知り受け入れる

恐れの源を知る、とは、先ほど説明した「そもそもなぜ嫌われるのが怖いのか?」についてなど、
まずは人の深層心理の仕組みついて知ることです。

そして少しずつでも構わないので、今度はこの仕組みを自分に当てはめて考えてみてください。
自分の恐れはどこから始まっていて、それが現実の自分の考え方や行動にどんな影響を与えているのかにまで引き寄せて考えることは、悩み克服のための大きな第一歩となります。

しかしこのような自分の深層心理に向き合う作業は、蓋をしてきた自分の心の痛みや傷の核心に触れることでもあり、簡単なことではありません。
時間をかけて丁寧に取り組む必要があり、時には非常に多くの時間を費やすこともあります。数か月、数年かかることもあります。

そもそも恐れや恐怖の感情とは、人間が自分を守るために備えられた、生きるために必要不可欠な感情です。
ですから、嫌われることを恐がりなかなか変われない自分がいたとしても、自分を弱い人間だと責める必要は少しもありません。

ただそのような自分の状態があるのだという事、痛み、もがいている自分がいるのだという事をそのまま、まずは受け入れていきましょう。

2.自分自身に寄り添う

2つ目に、人から好かれることを求める前に、自分がまず自分自身を受け入れて寄り添うという事です。

嫌われることを恐れる土台となった自分の過去のつらい体験や思い出を探り当てたら、その時に感じた自分の恐れや不安、悲しい気持ちといったありのままの感情を受け入れて認めてあげましょう。「悲しかったね」「不安でさみしかったね」と自分で自分に言う練習をしてみて下さい。

自分のつらい感情と向き合うことはある意味大きなストレスがかかることでもありますので、はじめはその感情をなかったものとして麻痺させていたり、自分の奥深くにしまいこんでいたりして自分でもなかなか自覚できないといったことも起こります。

そんな時には無理に掘り起こそうとしないで、少し待ってあげて大丈夫。 自分に時間を与えつつ、だけどあきらめず、根気強くやり続けてみましょう。

忘れてはならない大切なことは、、、、

自分が自分を受け入れられずにできた心の穴は、親によっても、そして他の誰によっても代わりに埋めることはできないという事です。

それが出来るのは、自分しかいません。自分を嫌っているのはほかの誰でもない、実は自分自身なのではないかという事に気づくことから、そしてそんな自分も、そのまま受けとめるという事から、一歩ずつ進んでみて下さい。

簡単にすぐにできるものではありませんが、向き合う気持ちがある人は、ぜひやってみてください。

3.妄想と現実を切り離す練習

克服のためのヒントの3つ目は、現実と妄想を切り離す練習をすることです。

自分が嫌われるという現実は実は自分自身が生み出しているという大いなる矛盾についてお話ししました。

まだ嫌われてもいないうちから自分は嫌われたかのような反応をしてしまい、実際に相手から嫌われるような状況を作ってしまうというようなことです。

これは、いつだれかから実際に嫌われても対応できるように、「自分は嫌われるかもしれない」とあらかじめ妄想し、自分を守るための防衛体制をいつも取っている状態です。
そうすることで、自分は安心できるし自分を守れるような気がするのです。

つまり、ただの妄想にすぎないことに手間暇をかけてわざわざ現実化させるという作業を行っているのですね。

ではどうすればよいかというと、妄想と現実を切り離して考える練習をすればよいのです。

目の前の相手に対して「嫌われたらどうしよう」と不安になり、いつもの防衛体制に入りそうになったら、こんな風に自分に問いかけてみてください。

「相手からあなたの事が嫌いと言われたの?」
「どのようにして相手があなたを嫌いだと確信したの?」
「相手があなたに対してどう考えているか、直接相手に確認したことがあるの?」などです。

実際に起こった出来事なのか、自分の考えの中でのことなのかを切り分ける作業です。

そうすることで、不安に思っているすべての事はまだ実際には一つも起きてはおらず、先走って自分が妄想しているという事実こそを確認することが出来ます。

長年の癖が変化するには時間が必要かもしれませんが、同じことを繰り返してしまっても何度でもあきらめないで、練習し続けてみてください。

まとめ

人から嫌われるのが怖いのは、その人の深層心理に、人から受け入れられない自分には価値がないという過去に刷り込んだ思い込みがあり、それは人から嫌われる自分には生きる価値が無いという、生存を揺るがされるレベルの強い恐怖へとつながっているからというお話をしました。

その恐怖を克服するためには、、、

自分がこのような状態にあるとまずは知ること。
そんな自分を責める必要は全くなく、そのまま受け入れてあげる事。
自分の抱えている恐怖はどこからきているのか探ってみる事。
自分でも気づかずに心の内にしまい込んできた辛い気持ちや記憶に向き合い寄り添ってあげる練習をする事。
妄想と現実を切り離す練習をする事、、、などが役に立つでしょう。

自分が出来る、小さな取り組みから、始めてみませんか?

YouTubeでも解説しています。

 

 

 

 

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